ブランデッドムービーの最前線~企業・商品の思いを伝える動画マーケティング~ Vol.2

企業がブランディングのために制作するブランデッドムービー。「生活者にとっての魅力や価値」があると同時に、「企業側のブランドメッセージや想い」を表現する新しい手法として注目されています。SSFF & ASIAはこの動きにいち早く注目し、2016年に「Branded Shorts」を設立しました。SSFF & ASIA 2017大阪の一環として行われた今回のイベントではBranded Shortsノミネート作品を上映するとともに、SSFF & ASIA代表・別所哲也をホストに、(株)電通クリエーティブディレクター中尾孝年氏、読売テレビ放送(株)編成企画部長西田二郎氏を迎え、お話しいただきました。
 
第1部「企業の思いを伝えるには」こちらからご覧いただけます。
 


 

第2部 商品に込めた思いを伝えるには

 

エモーショナルなブランデッドムービーとは

 

 
別所映画も演劇も笑いも同じ、どれだけ人の心を動かせるかということですよね。ショートフィルムで重要なのは「削りの美学」。削って削って最後に残った個性を描く。凝縮された結晶という点でとてもパワフルな作品でした。
 
中尾僕はいつも15秒で作るから3分、4分という時間は夢のような長さです。15秒が苦手としている感動という感情を掘り起こしている真骨頂。一発笑いはあるけど一発泣かせは難しい。羨ましいと同時に素晴らしいし、映像の持つ説得力が存分に発揮されていました。
 
西田「言葉を失う」とはこういうことなんだなと。伝え切ると言葉は出ないですね。僕は、映画館で見た映画よりも、深夜放送されている映画をなんとくなく見て感動してしまうことがよくある。見たい人に見せるのではなく、見る気がない人を見せる力がTVの特性だと思います。
 
中尾ちょっと素敵な時間をもらったと思えますよね。CMだと邪魔者だと思われがちだが、こういった作品に出会えてよかった、素敵な時間をもらったなと思えるのは素晴らしいです。
 
別所これは究極のベターライフ。僕はエンターテインメントはベターライフとアナザーアイフがあると思っていて。ベターライフというのは自分の人生をよりよくしたい、あ、ちょっとこれでいい人間になれたかもみたいな、きっかけになるもの。アナザーライフは、自分にはできないこと、サスペンスにのめり込むとかファンタジーとか化け物とか。このブランデッドムービーはベターライフですね、よりよい自分、より良い社会に近づける温かくなれる作品だと思いました。
 

虚を突かれるブランデッドムービー

 
西田虚を突かれる。前情報があるから見よう、口コミで話題になってたから見よう、そういう見方もあると思うけど、人の体験で素晴らしいのは「虚」の部分だと思うんです。虚をつかれたところで得るものって何なのか、その効果は動画サイトで見る効果よりもテレビの持っている効果は高いと思います。サノヤスさんはあきらかに「虚」ですよね、ニュース見ていて虚をつかれた、何これ?っていう。それから面白いから見ようっていう人も出てきた。テレビの使い方ってまだまだあると思います。
 
中尾ブランデッドショートのいいところは、参加ハードルが低いこと、大金をかけてないのに人の心を動かせるものが作れるフィールドがある、だからやってみて欲しいですね。
 
西田録画してもCMを飛ばしたりしますが、これならばそうはならないですね。
 
中尾飛ばされないものを作るのに一生懸命になっているんですけど、ブランデッドショートになることで広告とエンターテインメントの距離が融合されていく、もちろん思いを伝えていこうというのがあるが、それを除いたとしてもよりエンターテインメント性をだしていこうというのがブランデッドショートの特徴かなと。
 

「轟満の先入観」の実験的取り組み 

 

 
別所これはアメリカの映画学校で勉強したYuki Saito監督が作ったんですけど、クライアントさんとやり取りしながら、15秒でも30秒でもないブランデッドムービーというクリエイティブに落とし込んだ作品。広告主と如何に「科学」して落とし込むか。字幕を出すことで、音を消しても伝わるように、画と字幕だけで見てもらえるようにしました。一方で清水美砂さんを主演に迎えて映画的な要素も組み込んでいます。
 
中尾5秒で離脱されないようにする工夫など、ブランデッドムービーを今後ビジネスとしてやっていくのに法則化して分析するのは大事だけど、それを感じさせないのが更に大事ですよね。
 
別所だめなCG映画が、あ、ここCGだ、って分かっちゃうのと一緒ですね。
 
西田メディアによってどう見られるかというのがあると思うんですよ。テレビなら、あんな大きなグラフは使用しないと思うんで、どう見せるかというのはメディアの特性によってなのかなと。
 
中尾分析して法則化するのは結果の集計にしかすぎなくて、それをしても本当にいいものかはわからない。惹きつけるのは、関わる人の情熱だと思っています。熱量が人を惹きつけるんだと。
 

ブランデッドムービーの今後

 
西田より深く広く、でしょう。テレビの立場からは、例えば、ブランデッドムービーをチャレンジしたい方がいたら、それを作る過程のところから番組にしていけば、視聴者も作り手やクライアントと同じ目線で画面にひきこまれてゆくのでは。
 
中尾今、国民総クリエイター時代で、映像を作ることが身近になっています。でも本当のコンセプトメイキングを見られたら、お互いに面白いと思います。
 
西田番組を作っていて常に気にしているのは、人の心に「はてな」を作ること。はてながあれば、答えを見たい、それまで待てる、クリエイターはどんな方法でするんだろう、とみんな考えると思うんです。テレビの視聴者の中に俺もやってみたい、と。テレビが関われる1つのパターンだと思います。
 
中尾ブランデッドムービーは参加のハードルが低い、皆さんチャンスかなと。より深いコミュニケ―ションが出来るし、今までの広告作りではないやり方でクリエイティブを共有出来るのがブランデッドムービーの良さかな、と思いますね。
 
別所ブランディングという言葉に「うちはブランドを語るほどの会社ではありません」という人がいるけど、企業や個人には、みな個性があって、ブランディングとはその物語を繋ぎあわせることだと思ってほしいです。人を幸せにするためのサービスがあるんだと思ってほしいですね。
 


 
Branded Shorts 2018 エントリー受付は3月末まで!詳しくはこちらをご覧ください。