【Branded Shorts 2018 Shortlisted】ごめんねと大丈夫(日本)

「ごめんねと大丈夫」サムネイル
 
【Branded Shorts 2018 Shortlisted】ごめんねと大丈夫(13:50/日本/2017)
 
広告主:第一三共ヘルスケア株式会社
広告会社:株式会社電通
制作会社:株式会社ロボット
監督:タナダユキ
 
【タグライン】
肌とやさしさのあいだに
 
【あらすじ】
故郷を離れ、東京の製菓メーカーに勤務。昨年、大学の同級生と晴れて結婚し自分らしい暮らしを日々模索する、主人公、坂田麻子。(旧姓:中島)そして、趣味は読書と散歩。「家のことは二人でする」をモットーに、家事にも真面目に取り組む夫の坂田遼介。そんな夫婦の、新婚生活。例えば、急ぐ朝。ゴミだしは自分がやるね、と言ったけれど忘れて家を出てしまった遼介。「ごめん」という遼介に、麻子は「大丈夫」と答えます。またある日には、夜遅くまで仕事を頑張る麻子。心配する夫が声をかけますが、「大丈夫大丈夫」と答えます。いつもどおりなのに、いつもと同じようにお互いを大切にしようとしているのに、なぜだか起きてしまう些細な気持ちのかけちがいと、そんな状況への二人の向き合い方とは。あるある、と思わず共感できる夫婦の暮らしや思いを丁寧に丁寧に描いた、“やさしさ”がテーマの作品です。
 
【コンテクストの説明】
ミノンという商品は、これまで制作してきたTVCMシリーズ全編を通じて「肌とやさしさのあいだに」をメッセージに据え、自分や大切な人の肌を思う「やさしさ」を描いてきました。今回の作品では主人公麻子とその夫遼介二人の新婚生活で起こる、内面的な変化や衝突など、TVCMとは違う視点からの「やさしさ」の読み解きに注力しました。2017年というのは、男女や夫婦のありかたや、女性の働き方について、これまでとは違う新しい生き方の価値観が生まれる一種の過渡期。麻子自身も、働く女性です。だけど、働くと言うことはプライベートを諦めると言うことでもなく。麻子も夫婦としては、ある意味で「良い奥さん」でありたい、という正直な気持ちも持っています。自分がイメージする「奥さん」のイメージと、少し異なる実態のはざまで、夫と向き合いながら、自分たちらしい関係性を丁寧に築いていく。何があっても、結婚が何かわからなくなっても、相手を思いやる「やさしさ」があれば、生きていける。そんな物語は、きっと現代の多くの人たちの心に寄り添うことができると考えています。
 
【制作の目的】
ミノンはもともと2014年から4年という長い時を経て少しずつ物語を紡いできたTVCMシリーズ。肌へのやさしさを徹底的に考え、肌を守りながら洗うことができる製品特性から「やさしさ」を世界観の中心に据え、ミノンを使う主人公麻子と、その家族、恋人との日常のなかでミノンらしいやさしさを描いてきました。今回は、シリーズ全編の監督であるタナダユキ監督に脚本から全て書き起こしていただくという手法をとることで、CM的なアプローチとは一味違った、新しいミノンの世界を表現することが今回の制作の肝でした。15秒や30秒、60秒のといったCMの表現には出てきていない(けれど制作陣の頭には確かに存在している)、麻子や遼介の内面の部分や暮らしをより詳細に描くことで、ミノンらしい世界観をさらに深めていくことができると考えていたからです。今回はシリーズ4年目で麻子と遼介ふたりの生活が始まるという節目の年であったことも重なり、「新婚生活」を舞台にした、ふたりの人間が向き合い新たな生活を始めるという、エポックメイキングな物語を情緒的に描き切っています。
 
【応募作品を通して伝えようとしたメッセージ】
この作品における「ごめんね」と「大丈夫」という言葉たちは、「相手を思いやる優しさ」から来ています。それはとても素敵なことに思える言葉かもしれません。ですが、相手に気を使わせまいと思いやるあまり、手を差し伸べようとしてくれた人に「大丈夫」と言い続けてしまったら……?相手に不快な思いをさせまいとする優しさから、些細なことで「ごめんね」といつも言ってしまっていたら……? 私たちは言葉を使ってコミュニケーションをはかります。ですが、時としてその言葉に囚われ、がんじがらめになってしまうこともあります。そして囚われるということでなら、21世紀もだいぶ経つけれど、私たちはいまだに、誰かが決めた「夫とは」「妻とは」という理想の夫婦像を何となく刷り込まれ、現実ではその理想通りにはいかないことに、戸惑い、翻弄されてしまったりもします。10組の夫婦がいれば10通りの夫婦像があって良いはず。誰かの決めたことではなく、二人で歩み寄って夫婦になっていけば良いのだと、ほんの少しだけ気づき、誰かと一緒に居ることは面倒だけど、そう悪いことではないかも、と思える作品を目指しました。
 
【クリエイティブにおける工夫とその意図】
「企画コンテありき」ではなく、4年間15秒CMで積み上げてきた世界観の継続と、やさしさというキーワードから、「この夫婦がどういう日常を送り、お互い相手に何を思い、チリのように積もる些細なすれ違いをどう乗り超えるのか」想像し、限られた条件をあえて逆手に取る形でシーンを限定し、脚本を起こしました。プロデューサーとは最初、ワンシチュエーションではどうか、とも話し合いましたが、「夫婦」という設定上、どうしてもシチュエーションは2つ必要だと感じ、快諾いただきました。むしろそのことが、夫婦二人の濃密さを表現できた要因ではないかと思っています。 これまでCMでじっくりと主人公の麻子と夫の遼介の設定を作っていたので、麻子の実家の徳島の母から送られた段ボールやお米、一升瓶なども台所付近に飾って生活感を出したり、麻子は梅酒をつけているだろうとか、カメラに映っているかわからない所にも二人の生活が感じられるようセットを組みました。